悪友たちやネットから、セックスについての知識は得ていた。
無いのは実践経験だけ。ただ、それが何より問題だ。

女に恥をかかせるものじゃない。どこかで聞いたフレーズ。
据え膳食わぬは男の恥とかも、法事で父方の親戚が言っていた。


気がつけば、ジェットコースターに乗っているような展開。
吹きつける強風を受けて、断片的な情報が頭の中で乱舞している。

おののいている間も、ぼくは美穂から目を離せない。
女陰に釘づけだった視線は、乳房を経て顔にたどり着いた。


ぼくを見つめ続ける真摯な双眸に、吸い込まれそうになる。
体だけじゃなく心も美しいだろうと、素直にそう思えた。

その間も勃起していたのだから、ピュアな想いからだけでなく、
性的欲望によって美穂の肉体を求めたのは間違いない。


彼女との出会いに限らず、それからの自分が辿った道を思うと、
ぼくは常に良き伴侶、正しい道を選び取っている。

美穂は美しい女だ。そして、ぼくは彼女が好きだ。
彼女とひとつになりたいと、自然にそう願っている自分がいた。