こう見えて、といっても見えてないわけだが、
ぼくは以前から年上、特に数歳から十歳くらい上の女性にウケがいい。

今は一人暮らしだけど、高校までは親と同居だった。
近くに住むタイプの違う叔母ふたりにも、小さい頃から可愛がられた。


母の仲の良い友だちも、家に来たときに顔を合わせると、
手招きして「学校はどう? まじめにいってる?」などと話をしたがった。

同級生や一つ違いの妹に言わせると、ぼくは外面だけがいいサドらしい。
否定はしないが、別に打算から表裏を作ってるわけじゃない。

自然にしていても、年上の女性たちが勝手に世話を焼いてくれるのだから。


そんなぼくなので、初体験の相手も年上だった。

高1の夏休み、母の実家に泊まって知り合いの海の家でバイトをしたのだが、
そこの先輩だった。大学3年と言っていたので、ぼくとは5歳違い。

いや、誕生日が4月だったから、早生まれのぼくのほぼ6歳年上だ。

仕事を教えてもらううちに、彼女の方から打ち解けてきて、
私、アパートに一人暮らしだから、ご飯を食べに来なさいよと誘われた。